このページで扱うのは、
支払いの承認が終わった請求について、実際に振込を行うまでの実務です。
1〜10日で請求内容を確認し、
11〜20日で現場確認・是正・承認まで終えたものを前提に、
21日〜月末は「支払処理だけ」を行います。
この期間では、
新しい判断は行いません。
21日〜末日の位置づけ
21日〜末日は、
- 内容を判断する期間ではなく
- 是正を行う期間でもなく
- 承認された内容を、正確に処理する期間です。
ここでの役割は、
「正しく支払うこと」
それだけです。⑧

経理が勝手に判断して支払うことはありません
21日〜月末の工程では、
経理が内容や金額を独自に判断して
勝手に支払うことはありません。
必ず、
支払いの承認が済んだものだけを
支払対象として処理します。
判断はすでに終わっています。
ここから先は、作業です。
振込ミスをなくすための考え方
振込ミスを防ぐために、
私が行っている方法はとてもシンプルです。
同じ内容を、あえて2つ作り、突き合わせる。
面倒ですが、
ここを省くと経理ミスは起こりやすくなります。
振込準備で作るものは2つだけ
振込の準備では、
次の2点を作ります。
- 銀行の振込明細データ
- 支払帳
どちらも、
「請求書」に書かれている
- 支払先の名称
- 支払金額
を書き写します。
チェックが目的ですから、
銀行の振込明細データを支払帳に書き写したり、
逆に支払帳を銀行の振込データに入力してもいけません。
2つを突合して確認する
入力が終わったら、
- 銀行の振込明細データ
- 支払帳
この2つを突き合わせます。
名前と金額が一致していればOKです。
同じ内容を2回入力し、
一致を確認することで、
振込先や金額の誤りを防ぎます。
支払帳の役割
支払帳は、
振込を実行する前に、支払内容を一覧で確認するための管理表です。
すでに承認された請求について、
- どんな内容を
- 誰に
- いくら、支払うのか
を、一覧で見て確認するための表です。

👉 [支払帳テンプレをダウンロード]
銀行の振込画面だけでは、
- 全体で何件の支払があるのか
- 金額に違和感がないか
- 支払漏れがないか
を把握しにくくなります。
そのため、
銀行の振込データとは別に、
人の目で全体を確認するための一覧表として
支払帳を作ります。
支払帳は、
承認された内容を、間違いなく処理するために利用します。
振込手数料の扱いに注意する
振込手数料を
どちらが負担するかは、
必ず事前に確認が必要です。
取引条件によって、
- 自社負担
- 先方負担(請求金額から差し引く)
が分かれます。
そのため、
支払帳には
「振込手数料の負担欄」を設けています。
ここを確認せずに振り込むと、
- 金額が合わない
- 先方から差額の問い合わせが来る
- 二度手間になる
といったトラブルにつながります。
定期的な振込先の扱い
定期的に発生する振込先については、
あらかじめネットバンキングに登録しておきます。
こうすることで、
口座番号の入力間違いなどを起こしにくくできます。
特に注意が必要なのは、
今回が初めての振込先です。
この場合は、
- 振込先名
- 銀行名
- 支店名
- 預金種別
- 口座番号
- 金額
- 振込手数料の負担
について、
一文字ずつチェックマークをつけることをおすすめします。
支払直前までのスケジュール感
支払業務は、
着金日の直前に慌てて行うものではありません。
通常は、
着金日の3営業日前までに
次の作業をすべて完了させます。
着金日の3営業日前までに行うこと
① 銀行の振込明細データと支払帳を一致させる
- 銀行の振込明細データ
- 支払帳
この2点の内容が、
完全に一致している状態にします。
支払先名と金額が、
どちらを見ても同じであることを確認します。
② 会計で支払の仕訳入力を行う
次に、
支払に関する仕訳を会計ソフトに入力します。
この時点で、
- どの取引を
- いくら支払うのか
が、会計上も確定します。
③ 会計の預金残高を最終確認する
最後に、
会計上の預金残高を確認し、
資金が足りているかをチェックします。
ここで、
資金面の最終確認を行います。
資金繰りについては、
11〜20日の業務の中ですでに確認し、
支払に足りる状態にしているはずです。
この確認は、
あくまで最終チェックです。
着金日の2営業日前|上長による支払チェック
3点がすべてそろったら、
着金日の2営業日前に、
上長のチェックを受けます。
上長は、
- 請求書を見ながら
- 支払帳右側の決定金額に
- 支払金額を「手書き」で記入
していきます。
チェックも兼ねていますから、
左側の金額を決定金額に書き写してはいけません。

あえて「手書き」にしている理由
支払金額を
あえて手書きで書いてもらうのには、理由があります。
- 金額を直接書くことで、立ち止まって確認してもらうため
- どこへ、いくら支払っているかを感覚としてつかんでもらうため
左右の金額が一致していることを、
目で見て確認します。
着金日の1営業日前|支払承認と銀行手続き
着金日の1営業日前に、
正式な支払承認を行います。
この承認をもって、
- 銀行での振込手続き
は完了します。
支払後の処理
銀行の手続きが完了したら、
- 支払帳
- 請求書
- 関連書類
を、所定の場所に綴じて保管します。
ここまで終わって、
支払業務は完了です。
まとめ|21日〜月末は「正確に終わらせる」期間
21日〜月末に行う支払業務は、
- 新しい判断をしない
- 承認されたものだけを支払う
- 同じ内容を2回確認する
この3点がすべてです。
ここを丁寧に行うことで、
1日から続いてきた一連の支払業務が、
事故なく、確実に完了します。
これで、
- 1〜10日|請求書チェック
- 11〜20日|現場チェック
- 21日〜月末|支払・振込準備
支払業務シリーズは完成です。

