来月の資金繰表で確認することは、
一つだけです。
来月の支払日に、必要な資金が用意できそうか。
このページでは、
月末(21~末日)に行う
「来月分の資金繰表の作成」について整理します。
数か月先までを見越して借入判断に使う資金繰表ではありません。
通常の支払に必要な資金を、
足りるか・足りないかだけ確認するためのものです。
資金繰表で問題が起きる理由
資金繰表がうまく使えない会社には、
共通した原因があります。
- 注文から支払までの手順が決まっていない
- 支払サイトはあるが、管理されていない
- 締め日が曖昧で、請求書が後追いになる
この状態では、
- 何を
- いつ
- どの口座から
- いくら支払うのか
が、確定しません。
その結果、
資金繰表を見ながら、
「今月はどれを払って、どれを翌月に回すか」
といった、ルールにない判断までしてしまうことになります。
ここでいう「締め日」の意味
ここでいう締め日とは、
その月に支払う請求書の受付締め切りのことです。
この日までに届いた請求書を、
今月分の支払対象として扱います。
この日を過ぎて出てきた請求書は、
翌月支払です。
これは、
経理がその場で判断しながら対応する話ではありません。
契約時に業者へ必ず伝え、
請求書提出期限として合意しておく必要があります。
ここが曖昧なままだと、
締め日は機能しません。
仕組みが整っていれば、支払の見通しは立つ
注文 → 納品 → 請求 → 支払
この順番が守られ、
- 請求書の提出期限(締め日)が決まっている
- 支払サイトが固定されている
- 請求書がなければ異常だと分かる
この状態であれば、
- 来月
- どの口座から
- どれだけの支払が出るか
は、おおよそ見える状態になります。
資金繰表でやることは一つだけ
来月の支払額がおおよそ見えていれば、
資金繰表でやることは一つしかありません。
支払日に、必要な残高を用意しておくこと。
- 支払口座の残高が不足しそう
- 他の口座に余裕がある
この場合は、
支払日前に資金を移すだけです。
「資金繰表の問題」ではない具体例
次のような状態では、
資金繰表を見ながら、
その都度、支払の扱いを考えることになります。
- 支払日直前になって、初めて請求書が出てくる
- 月末まで支払予定が確定しない
- 本来払うべき支払と、そうでないものが混ざっている
これらはすべて、
資金繰表の問題ではありません。
- 注文
- 締め(請求書の受付管理)
- 支払管理
といった、
その前段階の仕組みの問題です。
資金繰表は正確である必要はない
資金繰表で確認するのは、
- 支払日に
- 必要な資金が
- 用意できそうか
それだけです。
1円単位で合っているか、
内訳が完全に一致しているかは重要ではありません。
資金繰表は、
- 未来の支払を確認する表
であって、
- 過去を正確に振り返る表
ではありません。
正確さは、あとから帳簿で確認する
過去の取引を正確に確認する役割は、
- 試算表
- 総勘定元帳
が担います。
資金繰表で、
- 過ぎた日の数字を直す
- 実績との差を追いかける
必要はありません。
それを始めると、
資金繰表は帳簿になり、
本来の役割を失います。
昔ながらの資金繰表で十分な理由
請求書の提出期限(締め日)と
支払サイトが固定されている会社では、
- 毎月、同じ時期に
- 同じ取引先へ
- 似たような支払
が発生します。
そのため、
- いつもある支払がない
- 金額が大きくずれている
といった異常にも、すぐ気づけます。
この状態であれば、
複雑な資金繰表は必要ありません。
資金繰表(月間)の見方

この資金繰表(月間)は、
来月の支払日に、口座残高が足りそうかを確認するための表です。
- 左側:口座ごとの繰越残高
- 中央:1日〜15日の入出金と残高
- 右側:16日~末日の入出金と残高
この表で見るのは、
残高がマイナスになりそうかどうかだけです。
なぜ21~末日に作っているのか
資金繰表を下旬に作っているのは、
1か月ごとに更新しているからです。
今月分の動きがほぼ見え、
来月分の支払を確認する区切りとして、
月が切り替わる前に一度作っておきます。
ダウンロード用の資金繰表について
このページの考え方を前提に、
最低限の項目だけを残した資金繰表を用意しています。
この表は、
- 正確な予測をするためのものではありません
- 管理や分析をするためのものでもありません
来月の支払に必要な資金が足りそうか
それを確認するための一覧表です。
仕組みが回っていれば、
この程度の資金繰表で十分です。
👉[資金繰表(月間)テンプレをダウンロード]
注意点
この記事で扱っている資金繰表は、
安定期の会社で、月次業務がルーチン化していることを前提としています。
借入金の返済計画がある場合や、
数ヶ月先の設備投資を控えている場合、
季節によって売上が大きく変動する場合は、
数ヶ月先を見越した資金管理が別途必要になります。
また、
「実績との差を追いかける必要はない」としていますが、
予測と実績のズレが続く場合は注意が必要です。
これは資金繰表の精度の問題ではなく、
請求管理や締めの仕組みが崩れているサインです。
日常的に修正する必要はありませんが、
ズレが続く場合は、
なぜズレたのかを一度立ち止まって確認することが必要です。
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まとめ
- 資金繰表は、過去を検証するための表ではない
- 確認するのは「支払日に足りるか」だけ
- 締め日は「請求書の受付締め切り」として契約時に決める
- 資金繰表で悩む前に、支払までの仕組みを確認する
それが、
21~末日に行う「来月の資金繰表作成」の本質です。

