このページでは、
1〜10日に行うべき業務として、
源泉所得税の申告・納付に絞って解説します。
10日に納付するものとしては、
この 源泉所得税と住民税があります。
いずれも、
前月の給与で預かった金額を、当月に納付する
という点は共通しています。
ただし実務上、
私の場合、住民税の納付手続きは前月の給与計算時点で処理が完了しています。
そのため、月初に改めて対応が必要になるのは源泉所得税だけです。
ここでは、源泉所得税に絞って整理します。
源泉所得税とは?
源泉所得税とは、
給与や報酬を支払う際に、支払う側が税金を預かり、
代わりに国へ納付する仕組みです。
流れとしては、次のとおりです。
① 給与・報酬を支払う
② 源泉所得税を差し引いて預かる
③ 預かった税金を国へ納付する
会社が負担する税金ではなく、
一時的に預かって納付する役割を担っている
という位置づけになります。

なぜ源泉所得税は「1〜10日の業務」なのか
源泉所得税の対象は、
前月中に支払った給与や報酬です。
月の途中では、
あとから源泉対象となる支払が発生する可能性が残るため、
申告対象を確定させることができません。
そのため、
前月の業務が完了したあとの月初にまとめて対応する
という流れになります。
※納期の特例を使っている場合
従業員が10人未満の事業所では、
源泉所得税を 年2回(7月・1月)にまとめて納付する
「納期の特例」 を利用しているケースもあります。
この記事は、
毎月納付しているケースを前提に整理していますが、
集計や確認の考え方自体は同じです。
期限が土日祝日の場合
源泉所得税の納付期限である 「10日」 が、
土日祝日にあたる場合は、
期限は休み明けの平日になります。
申告前にやっておく会計システムの段取り
源泉所得税の申告をスムーズに行うためには、
会計システムの補助科目を整えておくことが重要です。
👉[参考:補助科目を使って会計入力と分析を効率化する方法]
預り金の補助科目
負債の「預り金」には、
次の補助科目を作っておきます。
- 源泉所得税
- 住民税
- 社会保険料
顧問料は支払先ごとに分ける
販管費の「顧問料」は、
支払先ごとに補助科目を分けておくと、
あとで確認しやすくなります。
源泉所得税の対象は、ここに絞ればよい
実務上、
確認対象はほぼ次の2つです。
- 従業員への 給与・賞与
- 先生方への 報酬
源泉所得税の集計方法(実務の流れ)
① 月末の預金残高を確認
月末の預金残高が帳簿と一致していることを確認します。
これにより、
その月のお金に関わる入力が一通り終わっている
と判断できます。
② 源泉所得税の補助元帳を出力
対象月の 源泉所得税の補助元帳 を出力し、
当月に預かった金額を確認します。
③ 給与・賞与の確認
元帳に対応する伝票を表示し、
- 支給額
- 人員数
を確認します。
④ 報酬は「税抜」で確認
報酬については、
税抜金額をもとに確認します。
源泉所得税は、
原則として消費税を除いた金額(税抜)に対して計算します
(税率 10.21%)。
そのため、確認段階では、
- 報酬額(税抜)
- 消費税
を分けて把握しておくと、
顧問料の勘定科目との突き合わせがしやすくなります。
※ 納付書への具体的な記載方法については、
こちら(弥生の解説ページ)
を参照してください。

顧問料の残高と一致しないことがある
顧問料の残高と、
源泉所得税の集計金額は、
一致しないことがあります。
対象としている範囲が異なるため、
問題ありません。
納付方法と運用について
源泉所得税の納付は、
- 社内で承認や確認が必要な会社
- ネットバンキングで担当者が完結させる会社
など、さまざまです。
基本的には、
その会社に合った形で進めれば問題ありません。
ただし、
電子納税(ダイレクト納付)は、
一度設定してしまえば、
銀行の窓口に並ぶ必要がなくなります。
私自身も、
この仕組みに切り替えてからは、
「10日=銀行に行く日」という感覚が完全になくなりました。
申告して終わりではない|もうひと手間
源泉所得税の申告・納付が終わっても、
ここで作業は終わりではありません。
次に行うのが、
「給与・報酬集計表」への入力です。
なぜ毎月入力しておくのか
源泉所得税は、
1年分をまとめて、翌年1月に「合計表」として提出します。
この合計表を年明けに一気に作るのは、
かなり手間がかかります。
そこで私は、
毎月の申告内容を、その都度集計表に入力しています。
こうしておくことで、
1月の合計表作成は、
確認と転記だけで終わります。
給与・報酬集計表について
ここで使っている
「給与・報酬集計表」は、
合計表や法定調書をスムーズに作るためのツールです。
私が実際に使っている形式を、
ダウンロードできるようにしています。
👉[給与・報酬集計表テンプレをダウンロード]
まとめ
源泉所得税の申告・納付は、
- 前月分が対象
- 期限が決まっている
- やり直しがきかない
という業務です。
だからこそ、
1〜10日の業務の中で優先的に片づけることで、
月初全体の流れが安定します。
前月の入力が終わった状態で、
確認から納付まで一気に終わらせる。
この型を作っておくことが、
ひとり経理を回すうえでのポイントになります。

