このページでは、
経理の仕事の中でも「毎日行う業務」にあたる
入金確認と預金照合についてお話しします。
経理というと、
- 仕訳入力
- 会計ソフトの操作
- 決算や申告
といった作業を思い浮かべがちですが、
実務では、まず押さえておきたい大切なことがあります。
それが、
お金の動きが、想定どおりになっているかを確認することです。
入金確認と預金照合は、
この基本を支える、毎日の大切な業務です。
入金確認とは何をする業務か
商品を販売したり、サービスを提供したとき、
一般的には その時点で売上を計上します。
同時に会社は、
代金を受け取る権利を手に入れます。
相手が個人の場合は、
その場で現金やキャッシュレスで回収することも多いですが、
企業同士の取引では「掛け(ツケ)」が一般的です。
- 月末締め
- 翌月〇日払い
といった形で、
一定期間分をまとめて支払ってもらう取引が多くなります。
そのため経理には、
売上を立てるだけでなく、
きちんと回収できているかを管理する役割があります。
入金確認で毎日見ていること
入金確認では、次の点を確認します。
- 入金予定日どおりに入っているか
- 金額は請求どおりか
- 未入金のものはないか
毎日確認して、
入金予定日を過ぎても入金がない場合は、
営業担当を通じて早めに連絡し、回収を促します。
これは、
絶対に先延ばしにしてはいけない対応です。
実務に立つと分かりますが、
時間がたつほど、連絡はしにくくなっていきます。
最初は
「もう少し様子を見よう」
と思っていても、
しばらくすると
「ここまで日がたつと、逆に言いにくいな」
という気持ちになります。
だからこそ、
回収日に入金がなければ、翌日には連絡する
というルールを決めておくことが大切です。
連絡は、
相手に失礼のない言い方で、
営業担当から行ってもらいます。
例えば、次のような伝え方です。
「いつも大変お世話になっております。〇〇(自分の名前)です。
〇月〇日入金予定の〇〇の件につきまして、
本日確認したところ入金の確認が取れなかったため、ご連絡いたしました。
何かの手違いかと思い、念のため確認させていただいたのですが、
お振込みのお手続き状況はいかがでしょうか。」
このように
事実確認として早めに連絡することで、
相手に不快感を与えることはほとんどありません。
むしろ、
「きちんと管理されている会社だ」
という印象を持ってもらえることが多いです。
これは、
入金回収の面だけでなく、
会社としての信頼を守るうえでも大切なことです。
預金照合とは何をする業務か
次に 預金照合 です。
預金照合は入金確認と関係していますが、
見ているポイントは少し違います。
預金口座には、
- 売上の入金
- 経費の支払い
- 給与・社会保険料
- 税金の支払い
など、
さまざまなお金が日々出入りしています。
総勘定元帳の預金勘定を見れば分かるとおり、
預金は取引の中でも
特に動きが多い勘定です。
なぜ毎日、預金残高を合わせるのか
この預金を、
月末にまとめて確認しようとするとどうなるか。
- 仕訳の入れ忘れ
- 二重入力
- 日付のズレ
こうした誤差を探すために、
多くの時間と労力が必要になります。
だからこそ、
毎日、預金残高を帳簿と合わせることが大切です。
- 今日の残高は合っているか
- 合っていなければ、原因は何か
をその日のうちに確認できれば、
修正はとても簡単です。
入金確認と預金照合は役割が違う
この2つの業務は、
似ているようで役割が異なります。
- 入金確認
→ 予定どおり回収できているかを見る - 預金照合
→ 帳簿と実際の残高が合っているかを見る
両方を行って、
はじめて
「お金の流れが正しい」と言えます。
入金仕訳を「切らない」工夫
別のテーマで詳しくお話ししますが、
入金処理は 仕組みで楽にすることができます。
入金の仕訳は、
- 誰から
- いくら入金されたのか
を管理する必要があるため、
販売管理ソフト側で入金処理を行い、
そのソフトと会計ソフトを連動させる方法があります。
こうすることで、
- 情報を一元管理できる
- 会計ソフトで入金仕訳を切らなくて済む
というメリットがあり、
経理の効率は大きく上がります。
※ この仕組みづくりについては、
別の記事で詳しく説明します。
まとめ:毎日見るから、経理が楽になる
- 入金確認
- 預金照合
この2つを毎日確認することで、
- 未入金に早く気づける
- ミスを小さいうちに直せる
- 月末の作業が圧倒的に楽になる
現金実査と合わせて、
毎日行う業務の大きな柱になります。
派手な作業ではありませんが、
この確認を続けているかどうかで、
経理の安定感は大きく変わります。






