経理の仕事って、結局なにをしているの?

経理と聞くと、
「数字を入力する仕事」を想像する人が多いと思います。
でも、実際の仕事はそれとは少し違います。

この記事では、
「経理って、結局どんな仕事をしているのか」を、
できるだけ現場の言葉でお伝えします。

仕訳のやり方や、会計ソフトの操作方法ではありません。
経理の仕事の中身や考え方、
毎日どんなことに気を配っているのか。

経理の仕事内容の全体像を知ってもらうための記事です。

経理に興味はあるけれど、
実際の仕事がイメージできない。
そんな初心者の方に向けて書いています。

私は商業高校を卒業し、
一度、企業に就職して経理部に配属されたことがあります。

配属されて、初日にやったことは何だと思いますか。

数字を書く練習でした。

0から9まで、ずらりと並んだ数字を、
ただひたすら書き写す。

マス目の真ん中いっぱいに、大きく数字を書いた私に、
先輩はこう言いました。

こんなに大きく書いたら、
訂正するときに書くところがないだろ。
上半分は空けておくんだ。

今でも、その言葉をよく覚えています。

数字を書く練習用テンプレート

当時使っていたのと同じ形式で、
数字を書く練習帳(経理の基礎)をPDFで用意しました。
必要な方は、A4で印刷して練習にご利用ください。

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経理は「会社の頭脳」

経理は、よく
「会社の頭脳」
と言われます。

経営者がパイロットだとすれば、
経理は、コックピットに並ぶメーターです。

高度、速度、燃料、エンジンの状態。
それらが正しく表示されていなければ、
パイロットは正しい判断ができません。

メーターが壊れていれば、
最悪の場合、会社は墜落します。

だからこそ、
経理にとって正確さは命です。

これは単に
「ミスをしない」という話ではなく、
正しい判断ができる状態を保つという意味でもあります。

数字の書き方ひとつが、判断を狂わせる

今思えば、
先輩が最初に数字の練習をさせたのも、
誤らないための基礎を作るためだったのだと思います。

数字の書き方ひとつで、

  • 0と6
  • 1と7

の見分けがつかなくなることがあります。

たったそれだけのことで、
金額を読み違え、
判断を誤る可能性がある。

間違えないこと。
そして、間違いに気づけること。

だから経理は、
速さよりも、かっこよさよりも、
まず 基本 を叩き込まれます。

実際に、経理はどんな仕事をしているのか

では現場の経理は、
毎日なにをしているのでしょうか。

イメージされがちな
「パソコンに数字を入力する仕事」
は、ほんの一部です。

  • 請求書や領収書を見る
  • 金額や日付、内容がおかしくないか確認する
  • 売上や支払いが、想定とズレていないかを見る
  • 口座残高と帳簿を見比べる
  • ズレているところを探す

実際には、
入力よりも確認している時間の方が圧倒的に長い
というのが現場の感覚です。

毎日ではないけど、必ずくる仕事

経理の仕事は、
毎日同じではありません。

  • 月初に集中する仕事
  • 月末に慌てる仕事
  • 年に数回しかやらない仕事
  • 忘れた頃に突然やってくる仕事

経理は、
カレンダーで動く仕事
でもあります。

経理の仕事の正体

こうして見ると、
経理の仕事は

計算する仕事
ではなく、
ズレを見つける仕事

だと分かります。

数字が合っているか。
流れがおかしくないか。
いつもと違う点はないか。

それに気づけるかどうかが、
これまでの経理の価値でした。

経理の仕事は、変わってきている

しかし時代は進み、
今では
「ズレを見つける仕事」から
「ズレを起こさせない仕組みをつくる仕事」

へと、役割が変わってきています。

入力を減らす。
確認を減らす。
ミスが起きない流れを先に作る。

経理は今、
「処理する仕事」ではなく、
業務を回す仕組みを整える仕事
になりつつあります。

このカテゴリーで伝えていくこと

この「毎日まわす経理のリアル」では、
私が実際に行っている
1か月の経理の仕事を、時系列で
お伝えしていきます。

派手なテクニックはありません。
でも、止まると困る仕事です。

経理の仕事が、
少し具体的に見えるようになればうれしいです。